どり〜むきっず 〜ゲーム制作支援サイト〜
トップ | 初めての方へ | プロフィール | メールマガジン | リンク

同人ゲーム制作支援 | ゲームアルゴリズム勉強法 | C言語入門

今日のみなせけ | インフォプレナー | ゲームプログラム講座

リレー小説「僕⇒俺⇒私⇒そしてボク」


原文 神村サイトさんのページに飛びます


////////////////////////////////////////////////////////////
//
// 僕⇒俺⇒私⇒そしてボク 第五話
//
// 執筆者 神村サイトさん
//


 彼の顔が間近にあった。
息遣いが聞こえ、僕の鼓動は脈を打つ。

 ガチャ……。

「おはよう」

 そう言って彼女は微笑む。

 そして、思いもしないミスに気づいた。




// 僕⇒俺


「あ〜。なんかな〜」

 エイトティーンアイスを片手に
主語とか述語とか何一つ無い発言をするシンヤ君。

「どうしたの?」

 妥当な突っ込みを入れ、彼に投げかける。

「いや、今日俺んち誰もいねーんだわ」

 ぶげふゥっ!

 再びジュースを周囲に撒き散らす。
なんと今度はグレープだぜ。そう、炭酸なのである。

(まさか……その密室空間で
 何をどうするつもりなんですか!?)

 そろそろ自重したほうがいい妄想スキルは
ひとまず心にしまい、話の続きを聞く。

「へ〜。んじゃゲームとかし放題だね」

 平凡な切り替えしをする。

「でも、一人で留守番って寂しいんだよな〜。どう考えても」

(どう考えても寂しいって結論に至っちゃうんだ)

 この考えは口には出さず、代わりにこう言った。

「まあ、仕方ないんじゃない? 一日だけだしさ」

「ん〜……。そうだな。……!!」

 何か思いついた顔でこちらを見つめる。
照れるじゃないですか。

「お前一人暮らしだろ? お泊り会しよ〜ぜ〜!!」

「!!!!!」

 心底たまげた。
ひとしきり驚くモーションをして、落ち着く。

「な、なんでまた……」

「寂しいし、俺、将来一人暮らしとかしてみたいし、
 寂しいし……それに……」

 寂しい2回言ってません?

「それに?」

「お前の家とか見てみたい。」

「え……」

 僕はひどく動揺した。顔がかすかに熱を持つのを感じた。

「だって、友達の家は行かないとな!
 友達としてお前のベッドの下も検査するからな!」

 僕は彼がさっきの衝撃の言葉の後に言った言葉は
耳に入っていなかった。

 彼が「友達」というワードを連発しているが、
もうそんなこと聞いちゃいなかった。

 …………。

 僕の心の奥深く、ひそかに慕う愛しの君。

 どうすればいいんだ。困った。
誰も来ることのない一人暮らしの環境。

 そこに彼と二人。

 シンヤ君は修学旅行のように思っているだろうが、
僕は二人きりの部屋を違う世界で見てる。

 まず、問題は理性が抑えられるかと言う問題だ。

 あっ……、琴桜先生の同人誌どうしようかなあ。
……ベッドの下にあるからいいかな?

 さっきのベッド下検査を敢行すると言った
彼の発言は聞いてなかった。

 真面目に考えていたはずなのに
段々おかしくなってきている。

 ♪〜〜♪〜♪〜〜〜。

 今時設定してる人がいなかろう「サンダーバード」の
着信音が鞄の中でこもった音を発する。

「あっ、メールだ」

 慣れた手つきで携帯を取り出す。

「ふ〜ん、水曜に遊びに行ってもいいですか……って嘘!」

 そのメールの内容は、
「この前のイベントのお礼も兼ねて、新作衣装発表したい」
というものであった。

 僕は少し考え込み、結論をだした。

(まあ、いつもお世話になってるし、お茶とかご馳走
 するべきだよね。「いいよ」って返事しておこう)

 そこには異性という意識より、お世話になってる人、
むしろ友達という感情でいっぱいだった。




// 俺⇒私


「あ〜あ。間に合うよな? これ」

 親友との会話を終え、少し俺は急ぎ足だった。
まあ、歩いてるけど。

 気持ち的に走ってる気分で歩いていた。

 なぜなら短い休み時間なのに、
わざわざだべるためだけに、アイツんとこ行って来て……。

 次の授業が終われば昼飯だっつーのに。
アイツにも悪いことしたかな〜?

 そして、廊下の曲がり角に近づく。
あそこを曲がれば俺の教室だ。

 足音が聞こえる。なんだ? 走って……

 ドン!

 しまった。足音が聞こえてる段階で怪しめよ。俺。
女の子とぶつかってしまった。

 女の子は空中へ倒れこむ。
女の子の顔があった場所からふわりと良い香りがした。

 油断したがなんとか地面に倒れる前に抱きかかえた。

 セーフ!

 女の子だからなるべく柔らかく抱いたつもりだったが、
大丈夫だよな?

「す、すまん! 痛くなかったか?」

 いそいで謝罪の言葉をかける。
女の子だって急いでいたんだ。

 こういうときは体の大きい俺が気をつけないと。
弾き飛ばしてしまうからな。

 うわあ、やべえ。俺、ジェントルメンだな。

 馬鹿なことをあれこれ考えながら、
女の子に視線を落とす。

「「あ……」」

 二人同時に声をだしていた。

「!!!!!」

 そして俺は驚愕した。
うへえ! あの子だああああ!!!

「とっ……とにかく、ごめんな!」

 謝罪もそこそこに俺は逃げ出した。




// 私→俺


 彼は私を空中で抱きとめると顔をみるなり、
顔を赤くして、一言「ごめんな」とあやまり、
走り去ってしまった。

(? どうしたのかな?
 ……あっ! 時間が無いからかな!?)

 そう思ったと同時に5分前の予鈴が3回ほど鳴り響く。

(あ、そういえば、あれってカイ大佐……)

 私の中にはまだ予鈴が鳴り響いていた。




// 俺→僕


「ピンポーン……」

 俺はインターホンに手を伸ばす。
すると、インターホンに触れるその瞬間。

「シンヤ君……。チャイムは口で言っても
 意味ないんじゃ……」

 半ば不審者を見るような目で俺を見るリョウが、
ビニール袋を下げ立っていた。

 家の主によって開けられたその扉に入っていく。

 アパートだから玄関は実際狭いはずだが、
整理整頓されているせいか窮屈さは感じない。

 玄関で靴を揃え、部屋の続く方向へ体を向ける。

 玄関からほぼ直通のダイニングキッチン――台所ついた
リビングみたいなもんだが――それが視界に広がる。

 家具もよく観察しようとしたら
先にリョウの方から説明がはじまる。

「狭くてごめん。でもここ結構安くて良いんだよ。
 1DKで23000円位なんだ〜」

 開いているドアを発見。
どうやら1DKの「1」の部分は洋室のようだ。

 ダイニングは台所あるってだけなようだ。

 そのためダイニングはリビングとしても
活用されているようだ。テーブルとかテレビとかあるし。

 時間は午後7時。

 俺が持ち込んだパーティゲームで一緒に遊びながら、
リョウが買ってきてた「く〜ちゃん(オレンジ)」と
俺の持ち込みの「カ〜〜〜ル」をつまんでいた。

 今のところ俺が劣勢だ。

 コイツは色々器用だと思っていたが、初めてやる
このゲームを早くもやりこなしている。畜生〜。

 相手を妨害するトラップとか(故意に)教えてないのに
なんでこんなに勝てねえんだ!?

「は〜〜! 勝率6割5分って何なの? お前。
 このゲーム初めてだろ?! ざけんな! この畜生めが!」

「なんで勝率計算してるの!?」

 がくんがくんと肩を揺する。奴の頭が動く。
ちっくしょ〜。ガッデム!!

「あ!」

 突然、リョウが声を出す。

 時計を見つめ、次に俺を見る。
時刻は6時20分を回るところ。

「ごめん! ご飯そろそろ食べちゃった方いいよね?」

 そういって、エプロンをつけ始めるリョウ。

「え、あ……おかまいなく……」

 答える言葉を困っているうちに奴はさっさと調理を
開始するべく、ビニール袋をごそごそかましている。

「……」

 アイツが料理を開始して10分。
俺にも何かすることは……。

 なんかもうしわけねえ……。

「なあ、俺にもなんか手伝えることないか?」

 そう言って奴に後ろから……。




// 僕⇔俺


「どーん!」

「うひゃああ!!」

 彼がいきなり後ろからタックルかましてきた。
そのままハグしている。

「なにしてんの!? シンヤ君!?」

 どぎまぎしながら答えてみる。

「ちゃんと、包丁も何も持ってないとき選んだじゃん」

「安全性の問題じゃないの!!」

 彼がこちらを凝視する。

「あ……」

 彼の顔が間近にあった。
息遣いが聞こえ、僕の鼓動は脈を打つ。

「……もう! 離れてて!!!
 料理いつまでたってもできないよ!」


(俺やっぱ料理の邪魔だったか? そもそもできないのに
 手伝おうとしたのがだめだったか?)




// 俺→僕


 そうした感じで夜はふけた。

 結構……いや、かなり楽しかったな……。
またコイツとこんな風に遊べたらいいなあ……。

 ……。

 …………。

 ……………………。




// 僕→私


「んんん……」

 大きく背伸びをしながら、小さく声をあげた。
彼はまだ寝てるみたいだ。

「さて……」

 寝室のドアをそっと閉め、彼を部屋に残し、
静かに朝ごはんの用意を始めた。

(普通にスクランブルエッグとかパンとかでいいよね?
 友達とか家に泊まらせたこととか無いからな〜。
 要領がよくわかんないな〜)

 心で計画を練りながら、その計画を実行に移そうと、
僕が卵に手を伸ばしたそのとき。

 ――ピンポーン。

「?」

 あれ? 誰かな?
新聞配達の人は鳴らさないしな。誰かな?

 昨日騒いでたから下の階の人とか?
いや、違うな。とりあえず出てみよう。

 彼はまだ起きてないみたいだ。まあ、いいや。
さっさと出て、さっさと朝食作ろう。

 玄関に向かう。向かう途中で時計が見える。
あ、8時半。いつもよりかなり遅いなあ。

 明日と明後日2時間目まで休校だからいいかな?

 それにしても昨日ベッドの下
見られそうになったときは焦ったあ……。

 ごちゃごちゃ考えながらドアノブに手をかける。

「は〜い」

 朝なので少し声を抑えて出迎える。

「あ、おはよう。本当に時間ぴったしに来ちゃった。
 ……大丈夫かな?」

「!!!」

 え……。

 やばい!!! 今日水曜日!???

 どうしよう。今日火曜かと思ってた。
やばいやばいやばい。

 その開けた扉の先にいたのは約束通り来た彼女だった。
奥には彼が寝ている。

 なんとか……なんとかしないと!




// 執筆者 神村サイトさん


あとがき(神村サイトさん)


ようやく書き終わりました! 色々なんかごめんなさい\(^o^)/

……なんでいきなり泊まりに行くことになってんだよ! 馬鹿か俺は!

本当にごめんなさい。

この設定をやれと、なんか神から……、思いつきですごめんなさい。

キャラ崩壊もごめんなさい。

いくら修正加えてもらってもいいので許してください。

前回のたつにいさんが書かれていた、香織が綾のコスプレ
なんやかんやしてた事についてもなんか書きたかったんですが、
書けなかったんで森岡さん頑張って! (オイ

色々走りすぎな内容です。心から土下座します。
ついでにいうとたった今ipodが動かなくなりました。

一番謝罪しなきゃいけないのは終わり方です。森岡さんごめんなさい。

頑張ってこの難易度高めの状況解決してあげてください。

終わり方丸投げ過ぎてぶっ飛ばしたい場合は
ジャンピング土下座動画うpるので許してください……。

人任せなのは生まれつきです……。

そういわけで次、森岡美樹さんどうぞ!




// こっから先はたつにいの感想

サイトさんの本気を見た!

タイトルの意図は、ちょっとよくわからなかったのですが
キャラクターが生き生きしていて面白かったです。

特にシンヤ! リョウ君をいじり倒すキャラに脱帽です。

シンヤは女子に対してもあんなからかいが出来れば
マジでモテまくるリア充になれるんでしょうな。


第四話へ戻る たつにい
第六話へ進む 森岡美樹さん

リレー小説ページ トップへ



メニュー






トップ | 初めての方へ | プロフィール | メールマガジン | リンク
Copyright (C) 2010 どり〜むきっず, All Rights Reserved